あまり知られていない?フランスパンの歴史

このページでは「フランスパンの歴史」についてまとめています。

記載されている内容は、記事執筆当時(2022年9月現在)の情報であるといった点をご了承下さい。

フランスパンはグルテンの少ない小麦でパンを焼くために試行錯誤されたパン

ふっくらしたパンを焼くためには、小麦に含まれる「グルテン」が重要だと言われています。

しかし、フランスでは土壌や気候の関係から、グルテンの少ない小麦が生産されていました。

グルテンの少ない、粘り気のない生地を使ったパン作りで試行錯誤をした結果、硬めの外皮のパンが作られるようになりました。

因みに、フランスのパン作りでは、元々「イースト菌」等のパン酵母を使わない、生地を一度混ぜて直火で焼くというのが当時の主流でした。そのため、焼き上がりがうす焦げたような見た目となっていたようです。

現在のようなサクサクの外皮のフランスパンが一般的になったのは、19世紀頃だと言われています。

バゲットが普及し始めたのは20世紀以降

現在では、フランスパンの代名詞となっている「バゲット」が普及し始めたのは、意外と最近です。

1920年代に実施された法規制により、パン職人が「午後10時~午前4時は働けなくなった」事がきっかけとなります。

朝食に食べるパンの製造時間を短縮するために細長い形が一般的になったと言われています。

それ以外にも、市場労働者向けに販売するサンドイッチを効率良く作るために研究されたのがバゲットの始まりだという説もあります。

どの説が正しいのか、定かではありません。

しかし、バゲットが普及したのは「20世紀」になってからだという情報は、間違いではなさそうです。

日本では明治時代初頭に伝わった

「フランスパンがいつ日本に伝わったのか」

その答えは「明治時代初頭」です。

当時の東京・小石川にあるフランスのカトリック教会の孤児院にて、孤児への職業訓練としてフランスパンの作り方を教えていたのが、日本でのフランスパンの始まりです。

カトリック教会司祭のジャン・ピエール・レイは、孤児への職業訓練を文化的なものにしたいと考え、後に孤児たちをフランス領インドシナに修行に出す等、フランスパンの普及に精力的に動いていました。

これがきっかけとなり、日本でも徐々にフランスパンの製造や販売が広まっていきます。

その後も、京都「進々堂」の創業者である続木斉が、日本で初めてのパン留学生として渡仏したりしていたようです。

現在の日本人にも親しまれているフランスパンは、実は日本だけでも100年以上の歴史がある長年愛されてきたパンなんですよ。